「はあっ!」

「ぐおおおん」

 ここは天界。

 アルスは、あれから後、再びしんりゅうに挑戦していた。

 今度は連れもなく、たったひとりで……。

「見事だ 勇者よ。たったひとりでこの私を打ち負かすとは。褒美にとっておきのエッチな本を授けよう」

「いえ、あの……」

「なんだ? まだ叶えてほしい願いが他にあるのか?」

「はい」

「勇者よ、何を願う?」

 考えるようにしばらく沈黙した後答える。

「更なる強者を」

「ふうむ。余より強い者と戦いたいと申すか」

 アルスの瞳は、突き刺さるようにまっすぐしんりゅうの瞳を見ていた。

「よかろう。ここに来る途中に通った、格闘場に行ってみるがよい」

「はい、ありがとうございます」

 礼を言って、アルスは移動呪文を唱えた。

「ふむ。良い眼だ、まだまだ強くなる資質もあるだろう。しかし、人の身で強さを求めるのは、危ういことでもあるのだが、さて、あの若者は……」

 しんりゅうは話す相手もいなくなり、退屈そうにあくびをすると、またいつものように眠りについた。

 






戻る