イシス

 

「さあ、やってまいりました第245回、イシス武術大会。

今回はこちらで選考された56名により、予選が行われまして、勝ち抜いた者によるトーナメントが行われます。鍛えぬいた技と力を皆様存分にお楽しみください〜」

 

 イシスの町は、例年通り大勢の人々で賑わっていた。

 簡単なテントでできた店も立ち並び、見たこともないような品も並んでいた。

 なんだかおかしな格好をした、どこかの漫画で見たような人達もいる。

 

 アルスがひとりでキョロキョロしていると、懐かしい声が聞こえてきた。

「アルス〜」

 黒い生きた鎧に身を包んだ戦士。

 髪を後ろに小さく丸めた女武闘家。

 ローブに身を包んだ三つ目の魔法使い。

「キラ,ヤオ、ポロン」

 飛びつくキラと、抱きつくポロンと、それを本当に嬉しそうに見守るヤオ。

「このやろう、会いたかったぜー。ティーエと一緒になったんだってな。結婚式くらい盛大にしろよな」

「そうだぜアルス。俺もおもいきりカンでんだ。真っ先に俺にお礼するべきだぜ」

「ゴメン、ゴメン。ちょっと無精しちゃったんだ」

 ヤオがまっすぐに立ってアルスに言う。

「おめでとう、アルス」

「ありがとう」

「久しぶりにそろったな」

「ああ」

「勇者と3ケンオウね」

 成長した4にんがお互いの息災を喜び合う。

「君たちでも、どうして今回の大会に?」

「招待状が来たんだ」

「これ」

 ヤオが差し出した白い四角い封筒には、一通のカード。

 

拳の強さを求め懐かしき仲間との再会を望み汝の本当に欲しい物を知りたいなら砂漠のオアシスへ来たるべし

 

「本当に欲しい物……」

「欲しい物なんてないんだけど、最初のふたつは気になったから」

「俺も似たようなもんだ」

「それと俺たちだけじゃないぜ」

「お久しぶりです。アルス様」

「君たち」

 現れたのは、ドラゴンメイルに身を包んだプロキスと、白い武闘着のシフォンのふたり。

「お元気でしたか?」

「ティーエさんとはお幸せに暮らしてますか?」

「うん、まあ」

「こらこら、そんな突っ込んだセリフを言うんじゃない」

「ハハハハハ」

「君たちも……」

「はい、招待状が届いて」

「俺たちも出られるんです」

 

更なる修行と修練と成長を望み汝の本当に欲しい物が知りたいなら砂漠のオアシスへ来たるべし

 

「……」

「とうとう俺もプロキスに負けちまった」

「一回だけですよ」

「一回も負けてやるつもりはなかったぜ」

「スイマセン」

「謝るなよ。喜んでんだ。半分な」

「スイマセン」

 軽く小突かれる若い戦士。

「私も負けちゃったわ」

「いえ、そんな、まぐれで……」

「私に勝ってまたまぐれで済ますの?」

「いえ、そんな」

「おーおー女は怖ええなあ」

「なによ、このー」

 ポロンの両ホホを引っ張る。

「痛い、痛いって、ちょっと手加減……」

 




     


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