「予選は4名がリングに登り、バトルロイヤルで戦っていただきます。

ギブアップ、または戦闘不能により勝敗を決します。また外から見た以上に中は広く出来ていますが、場外も負けとなります。闘技場は結界で守られております。どんな強力な特技も大呪文も、外に飛び出すことはありませんので、皆さん力の限り戦ってくださいね。

ではナンバー1ブラスト選手、ナンバー2マルチェロ選手、ナンバー3アーサー選手、ナンバー4テリー選手。リングにご登場ください」

 予選が始まった、広い闘技場の上で、剣と呪文で戦う戦士たち。

 観客席からは歓声が上がり、激が飛ぶ。

 傷ついた選手も、回復呪文やアイテムを駆使してまた立ち上がる。

 

「ではナンバー5カンダタ選手、ナンバー6サイモン選手、ナンバー7ラゴス選手、ナンバー8アルス選手。ご登壇ください」

キ「いよ、待ってました」

ヤ「相手は聞いたことあるわ。名の知れた戦士や、大盗賊よ」

シ「へー」

ポ「まあ、アルスならなんでもない相手さ」

 ほじった鼻くそを飛ばす。

 

「では、ファイッ!!」

 斧を振りかざすあらくれと、緑色の鎧の戦士がはじけ飛んでぶつかり合う。詩人のブーメランがふたりを襲う。リングの中で激しくぶつかり合う中、アルスはひとり取り残されていた。

 

 詩人の呪文が炸裂する中、あらくれがアルスに気付いた。

「おい、ひとりボーッとしてるのがいるぞ」

「漁夫の利を狙ってるんだろ」

「卑怯者め。戦士として風上にも置けぬ。叩きつぶしてくれる」

「よし、じゃあとりあえず3人がかりでアイツを叩くぞ」

 もつれ合っていた3人は、結託を結び、アルスに向かってきた。

 アルスは、右手で剣を握る。

 

 横一列に向かってくる3人だったが、左のあらくれが足を横に出し、隣の甲冑の戦士が派手に転ぶ。

「なにをするんだ貴様」

「へっへっへ、こういうのでは油断するのが悪いんだぜ。これで、ひとり……」

 あらくれが巨大な戦斧を振りかざす。

「片付いたああ」

 

 戦士が、そういい終わらないうちに、振り上げた戦斧が細切れになった。

 戦士の鎧も詩人のブーメランも。

 

 アルスは3人がはじめにいた位置に立っていた。

 

 崩れ落ちて倒れる3人。

 

 

 

「ちょっと簡単すぎたか……」

 拝観席の更に上の屋根に座っているアレス。

「人間というのは厄介なものだな。扱いにくい。まあいい。本戦はこれからだ」

 口の端を曲げて微笑み、じわじわと高ぶろうとする高揚感を感じる。

 



     


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