「それでは続きまして、キラ選手対プロキス選手です。おふたりはケンオウの里出身で、同じく剣王の血を引くものであらせらます。それではおふたかたどうぞー」

 

「おっとおいら達だな」

「よろしくお願いします」

「ああ」

「頑張ってね、プロキス」

「ああ、おまえもう大丈夫なのか?」

「なにが?」

「だってさっき……もがっ」

「いいから、こういう時は黙ってるのが男ってもんだ」

「もがもが」

 口を塞がれてうなづくプロキス。

「ところでちょっと提案なんだが」

「なんですか?」

「シーザーはナシでやらないか?」

「え!? でもブラックシーザーは元々キラさんのものだし」

「でもシーザーはお前も気に入ってるみたいだし、どうだ? 勝った方が後々も使うってことで」

「……いいですよ。でもわざと負ける気じゃないですよね?」

「それは絶対にない」

 急に厳しい顔になって、あらぬ方向を向くキラ。

 見ると視線の先には、ロトの鎧に身を包んだアルス様がいた。

 

「ではファイッ!」

 プロキスは、ドラゴンスレイヤーにドラゴンメイル、シールドのドラゴン装備。

 キラは呪われた隼の剣と旅人の服のみを装備していた。

 

「あんなんで勝負になるのかー?」

「黒いほうは、装備が貧弱だぜ」

 

「ドラゴン斬りっ!」

 ドラゴンスレイヤーで斬りかかるプロキス。

 軽く身をかわすキラ。

 

シ「あんな無防備で……」

ヤ「でもキラには幻魔剣がある」

ポ「一撃入れたほうが勝ちだな」

 

(キラさんは確かに強い。今までもシーザーの力を借りて、一度勝ったことがあるだけだ。でも)

「バイキルト スカラ」

(俺には呪文がある。頭を使えば絶対に俺の勝ちだ)

「メラゾーマ」

 巨大な火球がキラを襲う。

 隼の剣で呪文の炎を4つに切り裂くキラ。

「イオナズン」

 広域の爆発呪文にダメージを受けるキラ。

 自分の姿を見失ったことを確認するとプロキスはそっと近付いた。

「ボミオス」

 

 キラの素早さが鈍くなる。

「やった。素早さが命のキラさんにこれで勝ち目はないですよ」

 勝利を確信するプロキスを見て、キラの唇の端が歪む。

 

 ぴっ

 

 素早く隼の剣が一閃され、プロキスの頬に血筋が走る。

「かかったふりをしただけだ。ケンオウをなめるな」

「それじゃ、わざと……」

 うなづくキラ。

「それよりも、おまえの頬には幻魔剣の傷が刻まれた」

「ゲンマケン……」

「軟気孔を使える相棒にも今は頼れない。お前自身が幻魔剣を体得する以外にこの勝負に勝つ方法はない」

「くっ ベギラゴンッ」

 苦し紛れに呪文を唱えるプロキス。

 軽く跳んでかわすキラ。

「剣王爆斬剣っ」

 体を丸くして、剣王の奥義を放つキラ。

 プロキスの体には無数の傷が刻まれた。

「ああ……」

「お前が幻魔剣を使えないのは、その呪われた力を怖れることにある。おまえは優しすぎるんだ。2度と塞がらない傷など誰にもつけたくないんだろう。だが剣の道は修羅の道でもある。優しさが邪魔になることだってあるんだ。幻魔剣すら通じない敵も、もっともっと強い相手もこの世には無数にいる。剣王の道を歩くなら、修羅の道の、それを越えたそのずっと先まで行って欲しいんだ」

「でも俺は……」

「呪われた力を受け入れないと死んでしまうぞ」



 プロキスになって選択してください

幻魔剣を覚える    幻魔剣に頼らない


戻る