テンはベホマを唱えつつ、ライアンさんと剣劇を続ける。
「あの子は回復呪文を使ってる。
呪文なしじゃ、あの体力にも限界がある」
ライアンさんはかまわず、剣を体ごと勢いにまかせて突き進む。
剣の動きも素晴らしい。
ライアンさんの勢いは・・・衰えなかった。
シ「あ、見て」
シフォンが指差した先には・・・
プ「ホイミン」
ホイミンが一心不乱にホイミを唱えていた。
戦士の体が青い光に包まれて回復しているようだ。
プ「ホイミンも来てたのか・・・」
シ「あんなことして、いいのかしら?」
一向に衰えることのない戦士の体力に、勇者のほうがまいってきた。
「くそー。なんでこんな強いんだこのひと・・・
エスターク以上の体力?」
ふと見ると、戦士の体が回復魔法のひかりに包まれている。
観客席には、回りながらホイミを唱え続けるホイミスライムが……
テ「ホイミン!」
テンの声に、ホイミスライムが反応する。
「ホイミンじゃんか。
ずるいよ。僕にもベホマかけてよ」
……ホイミンは思った。
「ボクはなんだか、あの戦士さんの為にホイミスライムに生まれてきたんだと、直感して応援してたけど……あっちの子にもなんだか見覚えがある気が……するような……」
ホイミンの目が無表情な細目に変わる。
「ぬおっ!?なぜか、見えない力が途絶えたような……」
「チャンスだ」
剣を離し、右手を高く掲げ呪文を戦士に向けて振り落とす。
「ぎがでぃいんんんんーー。」
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおーーー」
それでも耐える戦士。
離した剣を逆手に掴み戦士の胴をなぎ払う。
「ぬおおおおおおっ」
王宮の戦士が崩れ落ちる。
「それまでっ。勝者、テン選手っ!」
「無念でござるっ」