光っているのに、黒くなったエネルギーの中心で、アルスの体は動いていた。

 ちょっとでも隙があったら、次の一撃を放とうと構えているテン。

 

「剣でやろう」

 雷の中から声が聞こえてきた。

「え!?」

「剣で勝負をつけよう。なにか、なにかがつかめるかもしれない」

 雷のエネルギーを押さえつけるようにしてアルスが現れ、電撃のエネルギーは掻き消えてしまった。

「剣でやろう」

 

 チャッ

 

 うなづいて望みどおり剣を構えるテン。

「はあああああっ」

 

 さきほどの剣幕より倍の時間が過ぎただろうか、衰えることなく戦い続けるアルスに、テンのほうがバテて来た。

 

「はあはあ」

「はあっ」

 

 お互い肩で息をしているもののテンのほうが疲労は濃い。

「くっそおお、勝てると思ったんだけどなあ」

 テンはエルフの飲み薬を取り出すと、飲み干した。

「これでも負けたら、2倍足りないってことだ」

 天空の剣に残った力を込める。

 

 さすがに攻撃呪文も交えるテンに、アルスも押され気味。

 だがアルスは回復呪文のみで、テンの体力と、マジックパワーを削っていた。

 

 べぎらまああっ

 

 目くらましのベギラマにもたじろがない。

「なんて体力だ。スタミナには絶対自信があったのに……一番の強みはこのひとも体力?」

 テンは自分の尽きかけたマジックパワーを悟って最後の一撃に賭けた。

 

 ふるぱわーみなでぃいいーーーん

 

 大きな電撃の玉をアルスの頭上からぶつける。

 

 自分以外から放たれたミナデインの光を、見つめると、アルスは王者の剣を真上に突き上げた。

 

「避雷針!?」

 

 王者の剣に直撃したテンのミナデインは、それをアルスに伝えることなく、留まっていた。

「吸収した……」

「うおおおりゃあああああぁぁ」

 そのままテンに振り下ろす。

 

 剣はテンの体に触れると、そのエネルギーを伝え、テンの体力を奪いきった。

 

 気絶して倒れるテン。

 

「勝者っ。アルス選手ですっ」

 

 わああああああ

 

「最後手加減したな。その甘さもいいだろう。だが手加減は癖になるぞ」

 アルスは玉座の屋根の上で笑っていた。

(だがそれも止む無しか。お互いにな。喜べ、次の戦いでは全力がだせる。俺もおまえもな)

 大会はアレスの願いどおり、終焉を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

 

     


戻る