異魔神を倒して2年・・・
アルスはポロンの結婚式に顔を出した後消息を絶ち旅をしていた。
お共に、王者の剣と妖精のティーエだけを連れて・・・
荒れ果てた土地に牙と剣がぶつかり合う音と、血しぶきが響き渡る。
黄色い魔物。
キラーパンサーとキラーリカントの群れがたったひとりの勇者に襲い掛かる。
アルスは王者の剣で、襲い掛かる魔物をなぎ払っていた。
右から左から後ろから、襲い掛かるキラーパンサーを、一撃ずつで沈め、屍の山を築いていた。
最後のキラーパンサーの首を事も無げに飛ばし、残った獣人達を睨む。
「かかってこい。」
冷たく言い放つ言葉に、レベル差を感じたキラーリカントは背中を見せて逃げ出した。
「・・・無駄だ。」
回り込んだアルスは、王者の剣を無造作に振り回す。
巻き起こる竜巻がリカントの群れを、切り裂いた。
「・・・う・・・。」
一匹の生き残ったリカントを見下ろすアルス。
「・・・ぐるるるる・・・」
最後の虚勢をはるリーダー格のリカント。
「お前たちは、また人間を襲うんだろう・・・
僕は回復呪文も使える・・・
でもお前たちには・・・」
剣をのど元に突き刺しとどめを刺す。
断末魔をあげることさえ許されずに息絶えるリカント。
「こうするしかないんだ。」
剣を抜き、悲しそうな表情を浮かべるアルス。