テ「う〜〜ん。どれにしようかな〜〜。」
「お客さ〜ん。かれこれ2時間もとっかえひっかえしてるんですよ。
どれか決めて下さいよ〜。」
テ「どれもいまひとつピンと来ないのよね〜。」
「なんでもフリーパスなんでしょ。
一番高い、神秘のビスチェか、あぶない水着でいいじゃないですか。」
「なんか違うのよね〜。」
結局アルスはお礼のお金は受け取らず、それではこちらが困る。
なにかを受け取ってもらわないと、公平な取引が成立しない。
と、言うので代わりになにか、好きな商品を一品もらえることになったのだ。
どうせまたなにかあったら頼めるように、既成事実を作っておきたい算段なのだろうけど。
で、妖精専門店で、洋服を選んでいるあたし。
「なにかこう、下品じゃなくて、セクシーで、動きやすくて、それで一番高いやつ。」
「おきゃくさ〜ん。」
「ん?こっちのコレは?」
「ああ、それは旅の乞食が飯代がわりに置いていった、みやげ物でさあ。
よければサービスで差し上げますよ。」
小さな小汚いドラゴンの置物をつまみあげて埃を払う。
妖精の私から見ても小さい置物。
妖精のボッケにも入りそう。
「まあまあカワイイわね。」
せっかくだから記念にもらっておくことにした。
「ココの洋服はこれで全部?」
「一応奥にいくつかは・・・」
「見せなさいよ。」
「でも、それは安物だから、高いのを買ってくれたほうがウチもお客さんもハッピーってことで・・・」
「いいから。」
奥のタンスにはまだ何十着もの服が並んでいた。
「んん?」
ひとつの服にめがとまる。
「こ、これ・・・」
どこかでみたことのあるデザインの妖精用の小さな服を見つけた。