テ「おっはよーう。」

ア「んが・・・。」

テ「久しぶりの宿屋の朝食ですよー。

  勇者は栄養つけて今日も元気に世界を回らなくっちゃね。」

ア「うん。おはよう。」

テ「アルスの好きな、大くちばしの卵にこんがり黒パンもあるわよー。」

いつもの服で飛び回るティーエ。

ア「その服・・・」

テ「やっぱりこの服のほうが落ち着くわ。

  あの服スースーするし。」

どっちも変わらない気もするけど、本人がそういうならそうなんだろう。

ア「でも、時々はあれもいいと思うよ。」

テ「うん。・・・アルスも・・・」

ア「え?」

テ「昨日みたいに時々はあたしに泣きついてもいいのよ。

  もう付き合いも長い仲間なんだから・・・。」

ア「・・・わかった。ありがとう。」

テ「よし。朝食だー朝食だー。」

小さな笑顔を見せて、階下に飛んでいく古い付き合いの妖精。

ア(ほんと・・・もう何年一緒にいるんだろう・・・)

アルスは昔の懐かしい日々を思い出していた。

 

テ「結構やかましい町だったね。」

ア「うん。」

町の出口で地図を広げる。

テ「今度はどこにいくの?」

ア「行ったことのない誰も知った人のいないところ・・・」

テ「知った人のいないところ・・・」

ア「ルーラの行き先を広げる為だよ。前も言っただろ。」

テ「あ、そうね。それなら・・・」

心当たりがあるんだろうか。

ティーエは僕の知らない事を知ってる時がある。

テ「ここの西の山向こうに、女神様が住んでる湖があるって・・・」

ア「女神・・・」

テ「なんでも落とした武器を拾ってくれて、正直に答えると、新品にして返してくれるとか。」

ア「この王者の剣も・・・」

テ「オリハルコンまではどうなるかわからないけど、当てがないんだったら・・・」

ア「そうだね。よし次はそこにしようか。」

テ「うん。女神様もキレイなヒトよきっと。」

ア「え・・・」

こうしてアルスとティーエと折れた王者の剣の旅はもう少し続く・・・

でもそれはまた次の機会に・・・









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