ポ「さてと・・・シフォンは若いけど、ヤオくらいはでるとこもでてるし・・・」
赤くなるシフォン。
テ「関係ないでしょ。」
ポ「プロキスは竜との戦いの専門家だ。
持ってる剣も、ドラゴンキラーを改良したドラゴンスレイヤーだし、
ドラゴン専用の技もマスターしてる。
きっと役にたつはずだ。」
ア「よろしく。」
プ「お、お願いします。」
緊張ぎみに頭を下げる。
ポ「えーと、シフォンは星振る腕輪は持ってるよな。」
シ「はい。ヤオさんのお下がり。」
大事そうに右腕の腕輪に手をそえる。
ポ「これも、もっていけ。」
青い宝石を放り渡す。
シ「これ・・・」
ポ「賢者の石だ。
一番素早いお前が状況に応じて使うんだ。頼むぜ。」
シ「はい。」
ポ「プロキスにはこれと・・・」
大きな腕輪を渡す。
プ「ごうけつの腕輪・・・」
ポ「ホイミンは守りのルビーでもつけるか。
ちっとはマシになるだろ。」
嬉しそうなホイミン。
ポ「アルスはこれだ。」
金色のネックレスをアルスの首にかける。
テ「それどんな効果があるの?」
ポ「性格がむっつりスケベになるんだ。」
テ「ええーー!?」
ア「いらないよ僕は。」
慌ててはずすアルス。
ポ「まあまあまあまあまあ、遠慮するなって。」
ア「いらないってば。」
逃げ回るアルス。
執拗に追いすがるポロン。
シ プ(アルスさまをむっつりスケベにして、なにがしたいんだろうこのひとは・・・)
後ろ頭に大きな汗を垂らして、半分あきれながら、ふたりのやり取りを見守る若き戦士と武道家。
テ(あれで気を遣ってるつもりなのかしら・・・)
ティーエもちょっと複雑な気持ちながらふたりと同じ。
ポ「ちぇっ、残念だなあ。ステータスも上がるのに・・・」
ア「いらないからね。」
完全に拒否するアルス。
ポ「仕方ねえな。じゃあこれでも持っていけ。」
つまらなさそうに隅の大きな宝箱に座って小さな指輪を投げて渡す。
ポ「女神の指輪だ。
はめていればマジックパワーが少しづつ回復する。」
ア「なんか変な効果はないだろうね。」
疑うアルス。
ポ「ねえよ。」
ぶっきらぼうに答える。
ポ「それにしても・・・」
アルスの全身を見る。
ポ「勇者の装備が、旅人の服だけとはねえ。」
ア「あれからずっとこれで旅してきたんだ。」
ポ「レプリカの鎧は?」
テ「カーメンに安置してあるわ。」
ポ「ふ〜ん。ま、あの鎧でも役不足だな。」
テ「あれ以上の鎧なんて・・・」
プ「ドラゴンメイルとかギガントアーマーとか・・・」
ポ「それでも役不足だな。」
テ「じゃあどうするのよ。」
ポ「へへ。」
座っていた宝箱から腰を外す。
ポ「この日の為にラダトームから、借りてきたんだぜえ。」
中にはどこまでも青く輝く鎧が・・・
ア「光の鎧、勇者の盾、ロトの兜・・・」
テ「随分用意がいいわね。」
ポ「俺は賢王をやってたんだぜ。
色々なことを わかってる のさ。」
ロトの装備を見つめるアルス。
ポ「アランもアステアもアルスの気が済むまで使ってていいってさ。
どうせ使わないから。
その代わり、たまには顔を見せろって。」
頭をかくアルス。
テ「アルス。」
シ「装備してみて下さい。アルスさま。」
ア「でも・・・」
ポ「この時を待ってたんだぜ。
光の鎧も、盾も兜も。」
ロトの装備は勇者に呼びかけるように静寂を響かせていた。