シ「石のダンジョン?」
プ「ピラミッドだ・・・」
テ「イシスの巨大建造物ね。」
プ「アルスさまは潜らなかったんですか?」
ア「イシスには行ったけど、ピラミッドには近づいたことないんだ。」
シ「アルスさまでも行ったことのない場所もあるんですねえ。」
ア「地上は広いからね。」
プ「・・・あ、そうだシフォン。」
シ「なによ。すっとんきょうな声だしちゃって。」
プ「黄金のつめを投げ捨てるんだ。」
シ「ええ!?いやよ。せっかく手に入れたのに、なんで捨てなきゃいけないのよ。」
プ「ヤオさんの黄金のつめを手に入れたピエタとかいうホビットに聞いたんだ。
黄金のつめを持つものには災いが・・・
特にピラミッド内では魔物が雪崩のように群がってくるって。」
テ「あたしも聞いたことあるわ。」
シ「いやよ。わたし絶対このコを手放したりしないからね。」
プ「このコっておまえ・・・いいから捨てるんだ。
どうせ持ってるだけで使わないんだろ。
こんなモンスターレベルの高い場所で・・・全滅したらどうするんだ。」
シ「いやだったら、いや。」
もみあいになるふたり。
シ「ちょっとどこさわってるのよ、このむっつりスケベ。」
プ「スケベっておまえ・・・」
黄金に執着する連れにあきれるプロキス。
ア「・・・大丈夫みたいだよ・・・」
プ「え?」
ア「呪いの話は聞いたことあるけど、ここはピラミッドそのものじゃないみたいだし・・・
モンスターもまだ出てこないし。」
プ「・・・」
シ「ほら御覧なさい。アケミを捨てようとしても無駄ですからねーだ。」
アルスの腕をつかんで舌を出す。
プ「アケミってお前・・・」
プロキスの顔が崩れる。
そうこうしているうちにモンスターが現れた。
骨の魔物デーモンソード。
テ「キャー。」
プ「でたあ。捨てろ、それを捨てちまえ。」
シ「い、いやよ。なにびびってるのよ。倒せばいいのよ倒せば。」
ア(こだわってるのは、おたがいさまだと思うけどなあ。)
半目であきれながら剣を握るアルス。
デーモンソードはやきつく息を吐き出した。
ア「!」
シ「体が・・・」
アルスとシフォンの体がマヒした。
プ「の、呪いだ〜。」
たちすくむ戦士。
テ(プロキス・・・びびりスギ。)
冷たい目で見るティーエ。
テ「アルス、ゴメンね。」
縫い針の剣でアルスの首筋を一刺し。
アルスの麻痺が解けた。
ホイミンもすかさずキアリクでシフォンの麻痺を解く。
シ「ありがとー。ちょっとアンタ戦士でしょ。
仲間が動けない時こそ盾になって守る職業じゃないの?」
プ「俺は呪いとかそういうのは苦手なんだよ。」
シ「たく、それだから幻魔剣も使えないのよ。」
プ「・・・」
3匹のデーモンソードの相手をするシフォンとアルス。
プロキスは後方から補助呪文をかける。
シ「情けない戦士ねえ。」
文句を言いながら、骸骨の騎士をなぎ払っていく。