「いらっしゃいませー。」
テ「ここって・・・」
お城の右手、左手にも店が立ち並ぶ。
テ「中まで商売してるのね・・・」
ちからの抜けるティーエ。
「ここは特別高級専門店。
奇跡の剣に、ドラゴンキラー。あのロトの剣を上回る最強アイテム、破壊の鉄球まであるよ〜。」
「こちらは防具屋。
ドラゴンシリーズに戦士に大重宝の力の盾、豪傑の腕輪もあるよ〜。」
「ロトの剣より強いってそんなのあるわけないわ。いくらするの?」
「65000ゴールドだよ。」
「ろ、ろく、ロクマンゴセン!!!」
ティーエの目に数字が並ぶ。
「大きなお屋敷と庭が買えちゃうじゃないの。」
全身で怒るティーエ。
ア「町長さんはどちらですか?」
「あ、町長?その階段を登って、5階だよ。」
テ「なによ、その手は?」
「情報料、200ゴールド。」
町長「やあ、これはようこそゼニスバーグへ。」
テ「ちょっと、どうなってるのよこの町は。
私達、呼ばれたお客なのに、250ゴールドも取られたわよ。
あなた責任者でしょ。弁償しなさいよね。」
すごい顔で迫るティーエ。
町長2「まあまあ、落ち着いて。」
テ「!」
町長3「依頼を請け負ってくだされば、その500倍のお礼を差し上げますよ。」
テ「同じ顔が3つ・・・それに500倍って・・・125000ゴールド!?
お城が買えちゃう・・・」
羽ばたく力を失ってアルスの肩に力尽きる。
町1「勇者であるアルスさん達ならば必ずや願いをかなえてくださるでしょう。」
ア「ご依頼は、モンスターが・・・」
町2「まあモンスター退治には違いないんですがね・・・」
町3「ちょっと厄介なんですよ。」
テ「ふ〜ん。話をまとめると、
アンタ達の仲間のおんなじ顔した商人がひとりモンスター達に捕まって、
町を明け渡すか、有り金を全部渡すか、
商品を全部渡さないと、その町長4が殺されるってわけね。」
町1「なんですか?町長4って?」
テ「まあわかったわ。その町長4を無事に連れて帰ればいいのね。」
町2「まあその町長のゼニーがどうというよりは・・・」
町3「モンスターをどうにかしていただければ・・・」
町1「後は我々でなんとかしますよ。」
テ「なによ、その言い草は・・・」
ア「それで、モンスターというのは・・・」
町2「それが・・・」
町3「ミニデーモンにトロル・・・」
町1「地獄の騎士にライオンヘッド。」
町2「ホロゴーストにフロストギズモが確認されてます。」
ア「レベルが高いですね。」
町3「おまけに未確認のモンスターもいるとか・・・」
ア「・・・」
町1「うちの警備隊も、全滅しました。
放っておけばいずれ町にもなだれ込んできます。」
町2「もう、あなたがたにおすがりするほかないのです。」
ア「わかりました。お引き受けします。」
町3「おお、ありがとうございます。」
町1「では準備をさせますので、お仲間の戦士様や、賢者様もお呼びくださいませ。」
ア「仲間は外で待ってます。
準備はできてますから、今から行ってきます。」
町2「え・・・」
町3「今からですか?」
テ「アルス・・・」